雪山 2016~17 
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 赤岳東壁東稜
 白馬岳主稜
白馬岳主稜冬バリ初中級:2級上*1(3級*2)・Ⅳ
北アルプス北部・2017年5
月上旬・2泊3日(主稜Ⅷ峰手前幕営&白馬山荘泊
その1
その2 その3
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はじめに
 白馬岳主稜(画像にマウスポインタを合わせると解説が表示されます)
 今年のGWは白峰三山縦走と白馬岳主稜の何れにするかで大いに悩みましたが、二人とも体調面の不安が払拭できず重荷で長い距離を歩くより(白峰三山)、技術面では難しいものの営業小屋も利用できる後者を選択することにしました。
 登山大系(白水社)によると、白馬岳主稜は「白馬岳頂上直下より東面に伸びた痩せ尾根で、主峰を含めて九つのピークを連ね、白馬三山東面のバリエーションの中では最もスケールの大きいルート」と紹介されています。
 10年以上前、頂上直下の雪壁の写真を見て以来の憧れで、kniferidgeにとっては冬バリ最終目標ルートの一つでした。
 GW頃の白馬岳主稜は、白馬尻ベースの日帰りアタックが標準的になっています(入山日を含め1泊2日)。そのためにはロープ使用を最小限とする事が必要ですが、雪稜経験の乏しい私たちにはリスキーなので、稜上幕営を含む2泊3日で計画することにしました。ところが、3日の日程となると休みと天気が中々合わず、数年前から何度も見送っていました。今年も予定日は天気が下り坂、強風(晴天)と雨天の狭間を狙ってのアタックとなりました。
 なお、knは脊柱管狭窄症対策として、痛み止めを増量し、腰痛対策コルセット及び膝サポーター+サポートタイツを着用しました。効果はあったようで初日やアタック日の午前中は持ちましたが、同日午後は腰痛に加えコンテでロープを首にかけると頸部に痛みを感じ、肝心なところでmonchanにリードを任せることになりました。無事帰って来られたのは何といってもmonchanの頑張りのおかげです。
 
 表題のルートグレードは2つの参考文献で異なっていたので併記しました。
*1は実戦!オールラウンドクライミング(廣川健太郎/東京新聞出版局)
*2はROCK&SNOW BOOKアルパインクライミング(遠藤晴行/山と渓谷社)
 日程:2017年5/8(月)~10(水)2泊3日
 メンバー夫婦2人
5/8(月) 横浜未明発。
アプローチ(猿倉~白馬尻~主稜Ⅷ峰手前2000m地点(幕営)
5/9(火) 主稜登攀(幕営地~主稜~白馬岳)~白馬山荘泊
5/10(水) 下山(白馬山荘~大雪渓~白馬尻~猿倉)
帰浜
5/8(月)晴れ(強風)
0.アクセス
 5/8未明横浜を出発。中央道八王子IC~長野道安曇野ICは高速利用、国道147号同148号経由で白馬より県道322号(白馬岳線)で猿倉まで。八王子IC~猿倉の所要時間は途中仮眠休憩等を除き3時間45分(安曇野ICより1時間30分)だった。
 例年GWより猿倉まで車で入れるようになり(ノーマルタイヤでOK)、猿倉に駐車できれば、下山後の足の制約がないので有難い。なお、猿倉駐車場が満車時は白馬駅近くのスキー場駐車場に駐車(大半は無料)、猿倉までバス・タクシー利用となる。ただ、バスの運行は春はGW期間中のみでしかも本数が少ないので注意が必要。
 今回の計画は連休明けからの入山で、駐車の心配はなかった。50台可(70台可という記述もある)という猿倉荘下の駐車場にはまだ10台以上停まっていた。駐車場には数人の下山者のほか、これから出発するパーティーの姿も散見された(何れも日帰り山スキーヤー)。
1.アプローチ(猿倉~主稜Ⅷ峰手前幕営地)
(1)白馬尻まで
 猿倉荘(登山ポストあり)の裏手より雪に覆われた登山道へ入る(10:40)。歩き始めから意外に急で立木を拾ってストック代わりにした。これは、つづら折りになっている夏道をショートカットしていたからだった。
 鑓温泉方面の道標を左に見送り、道は松川北股入を高巻くなだらかな林道歩きとなる。時折展望が開け、左右から落ちてくる杓子尾根と小蓮華尾根の末端の間に白馬岳主稜が全貌を現していた(本ページ冒頭の画像)。
 雪渓となった長走沢は、下流側に水が流れており大分薄くなっている様子、踏み抜きに注意して渉る。もっと遅い時期ならスノーブリッジになるかもしれない(左画像)。
 長走沢の後、つづら折りとなる箇所があった。まともに歩くと大分アルバイトなのでショートカットしたら、こちらも手を使うような急斜面で楽ではなかった。
 小蓮華尾根の末端が見える頃から杓子尾根の裾を歩く。日射しも強く気温は高いが風があるので思ったほど暑くなかった。
 大雪渓に入る。現在地は白馬沢出合より上流側であり、高度計の読みからも、そろそろ白馬尻のはず。ただ、この時期小屋はなく、すぐ分かると思っていた連休中のテン場跡が特定できないのは気になった(白馬尻付近はトレースが錯綜しており参考にならなかった)。
(2)白馬尻~幕営地
 右岸からの観察で主稜Ⅷ峰へ登るラインは大雑把に把握できたので、大雪渓を左岸へ渉る。そろそろ雪崩も落ち着くころとは言え、大規模なデブリを目の当たりにするとやはり気分は良くない(4/28に雪崩死亡事故発生)。
 ところで、白馬岳主稜の取付は、主稜Ⅷ峰とⅨ峰(主稜末端の段状地)間のコル。白馬尻からⅧⅨのコルへは、私たちは当該コルから南側に展開する山腹(三角形状の広い斜面、以下Ⅷ峰南斜面と呼ぶ)を登った(上掲画像の赤ライン)。
 まず、①大雪渓左岸からⅧ峰南斜面へは、いくつかある雪のルンゼのうちデブリがないものを適当に選んで登った。一昨日の雨の影響か明確なトレースはなかったが比較的傾斜が緩く、クランポンなし、アックスはルンゼを抜ける直前までは必要なかった。抜けた先には緩傾斜帯があり、そこで大休止(昼食・クランポン装着等登攀準備)。
 Ⅷ峰南斜面に上がってからは、休憩地点の少し左(西)に見えたトレースに従った。
それは②緩傾斜帯よりⅧ峰から南東へ伸びる小尾根(以下Ⅷ峰南東稜とよぶ)へ向かって左上し、③南斜面中間部からはⅧ峰南東稜沿いを登るものだった。
 因みに、上掲画像から判るように、Ⅷ峰南斜面は下部が緩傾斜帯、中間部がハイマツの点在する急傾斜帯となっており、傾斜が変わる所にベルクシュルントが開いていて、アプローチにおける難所となっている。
緩傾斜帯からⅧ峰南東稜へ  バンド手前にはベルクシュルント 
 ベルクシュルントは、可能なところは回避し、いくつかは慎重に足場を確かめながら跨いだ(∵雪が緩んで支持力がなくなっていた)。続く急斜面は頭上の雪壁を避け右寄りの灌木帯沿いに登れば特に問題なし。
シュルントを跨ぎ右の草付沿いから頭上の雪壁越えると広い雪の斜面 
 その先は一旦傾斜が緩むものの、上に行くほど急になり、Ⅷ峰南東稜の頭に相当するピーク(幕営地)の直下はベルクシュルントもある雪壁状だった。また、下部では然程気にならなかったものの、雪壁付近は強い西風に吹かれ、何度も耐風姿勢を取らなければならなかった。
雪の斜面は上部に行くと急になり雪壁状 
 雪壁を登り切ると草付台地(Ⅷ峰南東稜の頭)、さらにその北側は再び雪に覆われⅧⅨのコルまで幅広の尾根が続いていた。ⅧⅨのコルやこのⅧ峰手前のピークは何れも幕営適地。既に16時近くになっており、強風に晒され疲労を感じていたのでコルまで登るのは止めて、この手前の小ピークでフォーカストビバークすることにした。 
 
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