雪山 2014~15 
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 安倍奥の山伏 阿弥陀岳南稜 赤岳天狗尾根 北岳池山吊尾根 
 
 
北岳池山吊尾根 (南アルプス北部・2015年5月上旬・前夜発2泊3日)
その1 その2 その3
その4 その5 その6
0.はじめに
 今年のGWは、池山吊尾根から北岳へ登ってきました。
 北岳登山と言えば、今は、広河原からのコースが一般的ですが、かつては、池山吊尾根がメインルートだったようです。また、南アルプス林道は1年の半分以上が冬期閉鎖されており(11月中旬~6月下旬)、当該期間は、このコースが依然として北岳の主要路ですから、その存在意義は決して小さいものではありません。
 百名山巡礼に熱を上げていた頃から、吊尾根コースには関心がありました(特に、ボーコン沢の頭からの展望)。しかし、地図を見ると、夜叉神峠登山口から吊尾根登山口の「歩き沢橋」までのアプローチが大変そう。その内容は、トンネルの多い林道歩きと山越えで(鷲住山(わしのすやま)、往路は400mの急下降、復路は同じだけの登り返しとなる)、吊尾根コース(北岳まで標高差2000m)の前後に、雪山幕営装備で往復7時間近いこの歩きが追加されるのは、かなりのプレッシャーです。
それにもかかわらず、今回の山行を決意したのは、本コースが、一昨年登った第4尾根やバットレスの全体像の把握に最適で、自分の目で確かめてみたかったからです。
 なお、今年のGWは雪が少なく、ベースキャンプを2400m以上まで上げないと水の調達が困難でした。ただ、悪いことばかりではなく、通常の残雪期より行動時間を短縮できるので、BCをボーコン沢の頭付近に設置し、1泊2日の日程で済ませている人もいました(通常は2泊3日)。
5/4(月)夜~7(木)/前夜発2泊3日
 メンバー夫婦2人
山行日  5/5~7
行 程 初日は、夜叉神峠登山口より鷲住山を越え野呂川右岸の歩き沢橋(吊尾根登山口)へ。次いで、義盛新道経由で池山吊尾根へ上がり、同尾根2450mで幕営(BC)。2日目はBCよりボーコン沢の頭・八本歯の頭を経て北岳往復。3日目BCより往路下山。
1.アクセス
 5/4夜、横浜を出発。横浜青葉ICより東名・圏央道・中央道経由で中部横断道白根ICまで1時間40分。白根ICから県道20・南アルプス林道経由で夜叉神峠登山口(駐車場約100台)まで約1時間。駐車場は満車に近い状態、ゲート近くに何とか車を停め4時間程車中仮眠。
5/5 曇りのち晴れ
2.アプローチ(夜叉神峠登山口~歩き沢橋登山口)
 GWに吊尾根コースで北岳へ登るには、前述の通り、南アルプス林道が冬期閉鎖中のため、吊尾根コースの登山口である「歩き沢橋登山口」よりずっと手前の「夜叉神峠登山口」から歩かなくてはならない。
 6時前に夜叉神峠登山口を出発。ゲートの少し先に夜叉神トンネルがあり、閉じられたシャッターの左の扉から中に入る。所々水も流れている長い隧道で約15分のヘッデン歩きだった。
 冬期閉鎖中の南ア林道のゲート
夜叉神峠登山口1380m(5:46)
 夜叉神トンネル東側出入口5:53
 扉開けて進むとトンネル内は真っ暗  夜叉神トンネル西側出入口6:11
 夜叉神トンネルを抜けると約1時間の単調な林道歩きが始まる。行く手には、雪を戴いた間ノ岳が覗く。
 トンネルを抜けると間ノ岳が覗く  単調な林道歩き
 次の短いトンネル抜け夜叉神峠西登山口6:18
 短いトンネルを挟んで、再び長い観音経トンネル、これを抜けると北岳も姿を現す。さらに、連続する短いトンネル群の先が鷲住山展望台。バス停と広い駐車場があり、進行方向左手にこれから登る鷲住山(わしのすやま)が見えた。
 観音峡渓谷バス停6:26 展望台からは北岳も覗く(右奥の山)
 駐車場から僅かに林道を進むと道路脇に歩き沢橋方面の道標が現れる(鷲住山入口)。道標に従い林道を離れ左手に伸びる尾根に分け入る。因みに、当該尾根の最後のピークが鷲住山、そこから急速に高度を下げ、野呂川へ落ち込んでいる。
鷲住山展望台7:00
工事殉職者慰霊碑がある
 展望台からは行く手に鷲住山が覗く
 鷲住山入口7:05 道路わきに「あるき沢橋」を示す道標がある
 鷲住山の登りは出だしに段差のある岩場がある。重荷で冬靴だと少々登り難いと感じる箇所だが、短い梯子が立てかけてあり助かった。
 鷲住山の登りでは梯子の付いた岩場もある7:10
イワカガミ 
 岩場から15分も登るとあっけなく鷲住山の頂稜に出る。それもそのはず、鷲住山は鷲住山入口から標高差約80mだからだ。東西に細長い頂稜には荷揚用の設備と思しき古い工作物が残されていた。休憩中に、前日登頂後下山してきた4~5人のパーティーとすれ違う。「天気が悪く何も見えなかった」とのこと。
鷲住山頂上7:20~25 
 平坦な頂稜が終わると眼下の野呂川へ向けて約400mの急下降。ジグは切ってあるが、それでも一般道にしてはかなり急で雨上がりのせいかズルズル滑る。所々設置されている手摺代わりのフィックスロープが有難かった。
鷲住山から野呂川左岸へ下る 
 尾根を下りきると立派な吊橋が現れ、これを野呂川発電所のある右岸側へ渡る。夜叉神峠登山口~吊橋の所要時間は休憩込で2時間半程で、ほぼコースタイム通りだった。休憩がてら、地形図・エアリアマップで進路を確認する。ここから、歩き沢橋は、一段上を通る県道野呂川・波高島停車場線(以下「県道」と呼ぶ)に上がって、2km程北上したところ。
野呂川にかかる吊橋を渡って右岸へ8:11 
 
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