●南八ヶ岳中核の山(阿弥陀岳・赤岳・横岳・硫黄岳等)のメインの登山口は、美濃戸口又は美濃戸。車でアクセスする場合、冬期は、一般的には美濃戸口からとなる(美濃戸は車高の高い4WDの車でスタッドレス+チェーン装着でないと無理)。 ●美濃戸口へは、関東方面からは中央道小淵沢ICで高速を降り、最初のT字路を右折し清里・野辺山方面へ向かう。途中「大平」交差点で左折し県道484(鉢巻道路〜富士見原茅野線)を15分くらい走る。幅員が狭くなりY字路に行き当たったら美濃戸口・八ヶ岳登山口等の表示に従い右へ道なりに5分程進むと美濃戸口(小淵沢ICより30分弱)。広い駐車場がある(普通車500円/1日)。 ●美濃戸へは林道歩きで小一時間(歩行者用に所々ショートカットする道もある)。 ●赤岳・阿弥陀岳方面の登山ベースは行者小屋。行者小屋へは、@柳川南沢登山道を登るA同北沢登山道で赤岳鉱泉を経由し中山峠を越える、の2ルートがある。赤岳鉱泉をベースにする等の事情がなければ、通常は@の方が少し早い。ただ、Aは、体力的に楽で、特に降雪直後等は@よりトレイルがある確率が高く、短時間で登れることがある。 ●赤岳西壁北峰リッジ(赤岳主稜)は、赤岳北峰より北西方へ伸びる岩稜で赤岳沢を左右のルンゼに分けている。文三郎尾根上部から見ると右ルンゼを挟んで東側に並行しているリッジがそれで、その取付へは、文三郎道がクランク状になって傾斜が少し緩む辺りから(ここから文三郎道は尾根を離れ西方へ屈曲する)左手の赤岳沢右ルンゼの方へ下降気味にトラバース。右ルンゼを渡り対岸の顕著なチムニーから北峰リッジに取り付く。
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建国記念日の連休後に降雪があったようで、「大平」交差点より先、鉢巻道路に入ると雪道となり所々アイスバーンでスタッドレスでも時々横滑り、ハンドルを握る手に力が入った。
美濃戸口へ着くと車載の温度計は-19℃、あまりの寒さに準備に手間取り出発が6時近くになってしまう(日帰りには遅すぎと焦る)。今シーズンの八ヶ岳(太平洋側気候に属する山)は、2月にしては異例の雪の多さ。
アプローチに時間がかかるのではと案じていたが、柳川南沢登山道も3連休のおかげか広いトレイルがあり助かった。ただ、これだけ雪があると、無雪期・残雪期より歩きやすいのは有難いが(行者小屋まではアイゼンなしで歩ける)、目標ルートの状況の方が心配になった。
←柳川南沢登山道 | |
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行者小屋は屋根から軒先まで雪がつながっていて、通常の八ツなら3月くらいの風景に思えた(案内板は出ており昨年4月初旬よりは少ない)。小屋の前も新雪にすっぽり覆われていて、テン場周辺の踏み固められたスペースで多くの登山者が出発準備をしていた。 驚いたのは、日曜の9時過ぎなのに、一般登山者に混じって登攀準備中のクライマーが少なくとも5〜6パーティーはいたこと。この分では、「遅いから順番待ちはない」という読みは完全に外れそう。 | |
妻などは「まだ、登るつもり?」とすっかり諦めムード。今更ジタバタしても仕方がないので遅い朝食を摂り、おもむろに準備にとりかかる。とりわけゆっくりしたつもりはなかったが、寒いせいか何をやるにも時間がかかり(うっかり物を落とすと雪の密度が低いので埋もれてしまって大変)、出発できたのは10時を過ぎていた(バリエーションスタイルのパーティーでは最後)。 |
中岳沢右俣(阿弥陀方面)を分け左側の雪道を登っていく。気が抜けたのではないのだろうが、妻は行者小屋を出てからずっとスローペース。私たちの井出達を見て一般登山者が道を譲ってくれても、文三郎尾根の急登が始まると息が上がって、結局は抜き返されることになった。 なお、文三郎道の鉄階段や鎖はほとんど雪に埋もれており、一般道で赤岳に登頂する場合でも、ピッケル・アイゼン(前爪あり)必携(特に下り)。
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登山道がクランク状になり東方の展望が開ける。赤岳沢右ルンゼへの下降点はもうすぐだ。右ルンゼの方を目で追いながら歩いていると、相前後して北峰リッジ(赤岳主稜)と思しき3パーティーとすれ違う。もう終えてきたのかと思い、立ち止まっていたパーティーの一人に聞いてみると「稜線は風が強いし、天気が崩れそうなので登らずに引き上げる」とのこと。今朝入手した赤岳の予報では依然として低温注意報は出ていたものの、『月曜の午前中まで穏やかな晴天』となっていたので、下降点まで行って様子を見ることにする。
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