阿弥陀岳+赤岳横岳縦走
1999.2.14〜15

2/14〜15に八ヶ岳へ行って来ました。
【山行概要】
初日は美濃戸口から入り中岳沢から阿弥陀岳往復(赤岳鉱泉泊)、二日目は文三郎道から赤岳〜横岳〜硫黄岳と縦走し美濃戸口に下山するコースです。
1日ずらしたおかげで冬型の気圧配置が緩み2日とも概ね穏やかな良い天気でした。ただ14日はかなり気温が低く行動中の最低気温はマイナス21度、幸い風があまりなく助かりました。
15日はやや雲が多かったものの稜線でマイナス7度位まで上がり風もほとんどなかったのでフリースだけで寒くありませんでした。
雪は、行者小屋で70〜80cm、中岳のコルで2m位、赤岳〜横岳の稜線は多いところで60〜70cm、全コースにわたりトレイルがありました。
赤岳鉱泉は日曜とあって宿泊者は少なく20人位、また、赤岳では10人くらいの人に会いましたが、横岳は頂上にいるとき追いついてきた単独の人だけでした。

赤岳

大同心・小同心

今回の山行では、赤岳鉱泉でみた夕日に染まる赤岳や横岳西壁が印象的でした。
また、行者小屋のすこし手前には、近くを通っても全く動じない牛のようなカモシカがいました。

2日目は赤岳だけで帰るつもりが、天候等のコンディションが良かったため欲張って横岳・硫黄岳の縦走に変更しました。日が長くなったおかげでヘッドランプを使わずに下りてこれましたが、少々疲れました。


日程、コース及び時間、天候並びに山行メモは以下の通りです。
【山域】南八ヶ岳
【山名】
  阿弥陀岳(2805m)  赤  岳(2899m) 横  岳(2829m) 硫 黄 岳(2760m)

【日程】前夜発1泊2日==車 -徒歩
2/13(土);自宅(横浜17:35)==調布IC(19:18)==(中央道)==諏訪IC21:26==美濃戸口23:05
2/14(日);美濃戸口-美濃戸-(柳川南沢)-行者小屋-阿弥陀岳-赤岳鉱泉(泊)
2/15(月);赤岳鉱泉-行者小屋-(文三郎道)-赤岳-横岳-硫黄岳-赤岳鉱泉-(柳川北沢)-美濃戸-美濃戸口==>自宅22:00

【メンバー】2名(私+妻)

【天候、コース及び時間】

[2/14(日);晴れ時々曇り]
美濃戸口6:48-美濃戸山荘7:38〜44-行者小屋9:53〜10:42-中岳のコル11:52〜12:08-阿弥陀岳13:01〜40-中岳のコル14:09-文三郎道・中岳沢分岐14:37〜47-行者小屋14:53-赤岳鉱泉15:28
所要時間;8時間40分(歩行6時間35分、休憩6回2時間5分)

(積雪・気温)
美濃戸口〜美濃戸;積雪20〜30cm、気温-14度(美濃戸口6:30)
柳川南沢;積雪30〜50cm、気温-21度(2000m付近8:40)
行者小屋付近;積雪70〜80cm、気温-16度(10:30)、-10度(15:00)
中岳のコル;積雪2m位、気温-19度(12:00)
阿弥陀岳;積雪60cm、気温-18度(13:30)

[2/15(月);晴れ]
赤岳鉱泉7:50-行者小屋8:30〜38-中岳分岐9:57-赤岳10:30〜52-地蔵尾根分岐11:20-日ノ岳基部11:43〜46-石尊峰12:10-三叉峰12:20〜40-横岳12:53〜13:41-硫黄岳山荘13:59〜14:03-硫黄岳(案内板14:28〜41-赤岳鉱泉15:45〜16:12-美濃戸山荘17:07〜13-美濃戸口18:05
所要時間;10時間15分(歩行7時間34分、休憩12回2時間41分)

(積雪・気温)
赤岳鉱泉;積雪60cm、-8度(7:50)/赤岳;積雪20cm、-12度(10:30)
日ノ岳基部のスラブ;積雪60cm/三叉峰;積雪50cm、-7度(12:30)
横岳(奥の院);60cm、-9度(13:00)/硫黄岳付近;ルート上にほとんど雪なし
赤岩の頭手前の道標;積雪2m位
柳川北沢;積雪30〜50cm、よく踏まれていてトレイルの幅は広いが、そのせいで凍結しているところがある。
※積雪は無雪期の写真との照合及び実測による。


【山行メモ】
◇阿弥陀岳
中岳のコルからの一般ルートは、地形図だとわからないのですが、クランク状になっていて、
(1)中岳のコルから標高差で70mほど急な尾根を直登し、ほぼ正面に現れる高さ数mの数個の岩を北側から巻いた後、
(2)今度は尾根をやや南側に巻き、
(3)再び尾根に戻ってそのまま登ると石仏のある頂上へ到達します。

(1)の部分は乾燥した不安定な雪でアイゼンが効かず登降に苦労しました。下りはトレイルを外して歩いた方が膝上まで潜るもののやや安定するようです。昨年行ったときは、この岩を巻いたところで(2)のルートがわからず(トレイルが消えていた)、(1)より急峻な岩と雪がミックスした尾根を直登するものと勘違いして登頂を断念しました。
(2)の尾根を南に巻く部分は岩と雪のミックス斜面となっていますが、条件が良かったこともあり難しいところはありません。しかし、気を抜いて転倒すると危険な所だという感じはしました。
頂上はガスって展望が得られず、石仏は台座まで雪で埋まっていました。

赤岳(中岳のコルより)

阿弥陀岳(赤岳より)

◇赤岳
96年の成人の日のころに行ったときよりずいぶん雪が多く、文三郎道は、鉄の階段がすっかり雪に埋もれていました。急勾配ではあるものの、締まった雪はアイゼンがよく効き登りやすく感じました。頂上は360度の大展望、富士山、南アルプス、浅間山等は雪が少ないのに対し、中央、北アルプス、頸城の山々はさすがに真っ白でした。
鎖は、文三郎道下部のものが雪に埋もれていますが、頂上直下の岩場、天望荘への下りのものは利用できる状況でした。

権現岳・背後は南ア北部の山

蓼科山と北アルプス、手前は中山尾根

赤岳と阿弥陀岳

◇横岳
ガイドブックによると横岳の難所は、(1)日ノ岳〜鉾岳〜石尊峰と(2)横岳(奥の院)直下ということですが、無雪期に行ったときは、ほとんど使わなかった鎖も、今回はあるだけでも安心です。稜線の東側は雪に埋もれているところがあるものの、西側の雪は少なくほとんどの鎖は利用できます。トレイル、天候等の条件が良かったおかげで特に難しいところはありませんでした。

(1)日ノ岳〜鉾岳〜石尊峰
赤岳側から行くと日ノ岳手前の東側の山腹をトラバースするトレイルがまず目につきます。かなり急な雪面で遠目には怖そうですが、そこは人気の八ヶ岳、行ってみると幅40cm位のしっかりしたものでした。ここは、降雪直後等でトレイルが消えると難しそうです。

日ノ岳基部のスラブも鎖は埋もれていますが、あまり傾斜もなくアイゼンもよく効き問題なし。続く鉾岳〜石尊峰の西側のトラバースも鎖場にはほとんど雪がありません。
(2)横岳直下(硫黄岳側)
横岳直下の鎖は埋もれており、西側がスパッと切れた急な下り(階段に取り付くまでのわずかな距離)は、この日一番緊張したところです。稜線の西側から東側にかけて山腹に付けられた長い鎖は出ていて助かりました(カニのヨコバイ)。

(補足)
三叉峰から分岐する杣添尾根のルートはトレイルなし。
赤岩の頭を経てオーレン小屋へ至るルートはトレイル不明瞭。


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