厳しかった残雪の石尊稜
(八ヶ岳横岳西壁 2010.4.10〜11)
  
 
 雪山ハイク ちょっとバリエーション 
 山の手帳
 
横岳西壁石尊稜の記録
 2010年4月  2010年11月  2014年3月
 

【はじめに】
 岳人1月号が出たときから今季の雪のバリエーションの目標は石尊稜と決めていました。元々人気ルートであることに加え記事が載ったときは新しい情報を入手し易いと考えたからです。同じ初心者ルートでも赤岳西壁主稜よりピッチ最高グレードがやや下(注)という点もその理由のひとつでした(クライミングが下手な私たち向き?)。
 ただ「冬期登攀」初心者同士でも楽しめると言っても「」のハードルは高く、天気予報とにらめっこしながら日和見を決め込んでいるうち、とうとう桜も散る季節となってしまいました。
今季ラストチャンスと思って計画したものの2日目(11日)の予報は今ひとつ、初日にアプローチ・アタックというのは少々荷が重いかなと当初より思ってはいたのですが・・・・・。

(注)後日、赤岳西壁主稜に行ってみて信頼できる支点は主稜の方が多く、時期にもよりますが、初心者にとっては、石尊稜の方がむしろ難しい気がしました。

【山行記録】
4/10(土)晴れのち午後から曇り
1.赤岳鉱泉まで

 自宅を前夜出発,小淵沢ICから直ぐの道の駅「こぶちざわ」で仮眠する(似たような車が10台以上駐車していた)。幕営装備なので早めに出たかったが寝坊してしまい山に行くと思しき車は既に出発していた。すっきりしない空模様でこの季節にしては暖かい朝。
 八ヶ岳高原ラインから鉢巻道路に入り美濃戸口へ。道路周辺には全く雪はなく路面凍結を心配せずに普通に走れた。美濃戸口の駐車場には1台の車も見当たらず皆美濃戸まで乗り入れている様子。
この先も残雪はなく,最低地上高の低い普通乗用車でダート路面を走るのは少々心配ではあったが,思い切って進んでみることにした(美濃戸口より先を車で走ったのは初めて)。途中何度かお腹をする場面もあったものの道路幅を目いっぱい使って所々ある露岩を右に左に回避しながら20分ほどで駐車場のある赤岳山荘に到着(美濃戸・駐車料1000円/1日)。既に10台ほど駐車していた。
準備を整えて6:30に美濃戸を出発。車のおかげで寝坊の遅れを完全に取り返せた。おまけに1時間分体力を温存できたのは今日の行程を考えると大きい。
 久しぶりに柳川北沢を歩く。南沢(行者小屋へのルート)と比べよく整備されているが下の方は林道歩きが長く、いささか単調。許可車両が通ることもあり日陰では路面が凍結してスケートリンク状になっている箇所が見られた(登りならアイゼンを履くほどではないが下りは注意が必要)。
 堰堤広場で小休止、パンおにぎりで朝食をとる。この間日帰りと思しき軽装の2人がパスして行った。
何度か右岸左岸と渡り歩き、少な目ながらずっと雪道を歩くようになる。新緑にはまだ早いが暖かい日差しが降り注ぎ全く春の陽気だ。
 薄い樹林の間から横岳西壁が見え隠れしているが逆光でうまく撮れなかった。ここから僅かな登りでアイスキャンディーの立つ(今シーズンはもうお終いのよう)赤岳鉱泉、先の2人が小屋に入って行くところだった。
受付を済ませ、かろうじて雪が残っている広場にテントを設営する(私たちが着くまで1張りもなかった)。
(左)凍った林道歩き      (中)赤岳鉱泉の冬のシンボル「アイスキャンディー」      (右)赤岳鉱泉
 2.赤岳鉱泉〜下部岩壁取付
 荷物の整理と登攀準備をする。予定より早く着いたのに油断してのんびりしているうちに出発が10時近くになってしまった。

 まずは、石尊稜へのアプローチ、今週末はまだ入山者がなくちょっと心配だったが好天だったこともあり石尊稜の特定自体は比較的容易だった。
行者小屋へ向かう登山道をしばらく歩き樹林に覆われた丘陵をひとつ越えたところが柳川北沢右俣(小さな赤い鉄橋が雪の中から覗いていた)。登山道は橋を渡って中山峠へと続くが石尊稜へはこの雪の北沢右俣を登る。この辺りは石尊稜・中山尾根をはじめ横岳西壁の小同心以南の概念を把握するにはとてもよい場所。
(左)(中)北沢右俣の赤い橋、これを渡って左へ入る。トレイルは行者小屋方面    (右)横岳西壁小同心(雲付近の2つの岩峰)以南:↓が石尊峰
 しばらく歩くと先週以前のものと思われる踏跡が現れるも最初に左に分岐する小同心ルンゼの方へ消えてしまった。右の本谷を僅かに登ると再び二俣となり左右いずれも今までより少し急な雪渓となる(左は三叉峰ルンゼで新雪期ならこちらから取付くとアイスクライミングも楽しめるらしい)。
  間の石尊稜は藪尾根でこれに末端から取り付くのは得策ではないため、右の本谷をさらに100mほど進み、左(石尊稜側)から出合う40度近い小雪渓を30mほど登って取付いた。立ち木のある岩稜まで僅かだが時期が遅く(凍っていなかった)岩が脆くなっていて緊張した。
なお、この週末は気温が高かったため氷雪が融けて以降の岩場はいずれも非常に脆い状態だった。
立ち木でセルフビレーを取って一息入れる。この先は急な草付き〜右に屈曲した痩せた岩稜を辿って核心の下部岩壁下へ到る。
  岩が安定していれば問題にならない箇所だが、登るほど潅木が少なくなり岩場に信頼できるホールドが乏しそうなので早めにロープを出すことにした(2ピッチ(45m+25m))。
なお、後で気がついたのだが、当初登っていた急な雪渓をそのまま詰めると下部岩壁の直下に出ることが判明。ただ、上部は雪壁といってもいいくらいの斜度なので私たちの場合はダブルアックスで登る・ビレーする等の対策が必要かもしれない。
下部岩壁の取付は外傾した岩場となっており、セルフビレーはその手前の太い白樺の木でとった。岩稜通しに登ってここに達するには脆い岩場のトラバースがあってちょっといやな感じだった。
小同心ルンゼを左に分け右の本谷へ 石尊稜末端 この二股も右へ 小雪渓出合
(左)下部岩壁取付(↓のところ)まで赤のラインを登ったが、雪渓をそのまま登った方がよさそう(青ライン) (右)脆い岩場のトラバース 
 3.下部岩壁登攀
 ルート全体の核心(V+)といわれている下部岩壁は「凸凹した草付きのある脆い泥岩壁」という印象,傾斜が緩いので然程難しそうには見えなかった。
この箇所についてガイドブック・ネット等で得た情報を整理すると以下のとおり。
@微妙な斜度のスラブ状岩壁。ホールドが乏しくややランナウト気味なため見た目ほど容易でない(特に降雪後で支点が見にくいとき)。
A上部にある垂壁は左右いずれかから巻いて稜上に出る。左上し立ち木のある草付きを登る左ルートの方が一般的。
 
 3ピッチ目(45m)
 既に13時,今から登って本当に今日中に下りてこられるのか不安になる。実は標準コースタイム3〜5時間(下部岩壁取付〜上部岩壁終了点)を赤岳鉱泉〜石尊峰のものと勘違いしており、この時点で敗退は決まっていたようなものだったのだが。こちらの心理を見透かしたようにいつの間にか雲が覆い生温い風が吹き始めていた。
 数箇所ある取付のうち白樺の木の上(ここにも支点あり)の少し右にある浅い凹角(ペツルの支点あり)から登った。残雪はほとんどなく支点は見やすかったもののしっかりしたホールドは少ない上、所々打ってあるピトンは信頼できなかった(つまんだだけで抜けた)。ただ概ね4〜5m間隔にペツルのしっかりしたボルトがあり、これに沿って登ったので垂壁下(中間部)までは比較的容易に感じた。
  問題は中間部より上のルートファインディング。垂壁下のボルトを過ぎると左右いずれにも支点が見当たらず、安易に直登して行き詰ったのだ。
当初左ルート(注)を採るつもりだったがそこからはホールドが細かすぎ(中間支点も取れない)怖くてトラバースできない。仕方なくクライムダウンが短くてすむ右ルートを登ることにした。こちらはトラバースは容易だったが、段差のある岩場を越える際2点支持になる箇所があってちょっと緊張した。この上にあったボルトでランニングビレーをとり、さらに潅木のある草付きを登って、立ち木のある小岩峰の直下でピッチを切った(45m)。
 
  4ピッチ目(45m)
 次は妻のリードで小岩峰の基部を左にトラバース,これを巻き登って稜上に出ると下部岩壁の登りは終了(左ルートと合流)。さらに雪のナイフリッジを渡った先の潅木でピッチを切った。
小岩峰基部は外傾しておりホールドが乏しいため(一見ガバホールドに見える岩は全て動く)ここのトラバースは意外に手ごわかった。
(注)翌日下降時に確認したのだが、左ルートは、中間部の一番上のペツルのボルトがある所から少し左上して草付きを登ればよかった。浮石は多いが傾斜は緩く立ち木が多いので支点にも困らない,そのまま稜に上がれて全般的右ルートを登るより容易で早いと思われる。
(左)木の背後が下部岩壁、傾斜はこれくらい     (中)取付から数mがちょっと急   (右)岩が脆く見た目ほどには易しくはなかった
   右ルートはこのコブを左から巻き登る 下部岩壁の先の雪稜〜草付き 雪のナイフリッジ
4.急な草付の登攀〜雪稜手前の小岩峰(引き返し地点)
5ピッチ目(50m+コンテ10m)
 @雪のナイフリッジの先から広い雪稜をピナクル基部へ。Aピナクルは左から巻きB続く草付き〜腐った雪の急斜面(ガイドブック等では「急な雪稜」「雪壁」と記されている)をダブルアックス(刃はミックス用)で直登。途中でロープがいっぱいになったため支点がとれる立ち木まで10m強はコンテで登った。
 Bは凸凹した草付きが点在していて写真で見るより実際に登った印象の方が急に感じた(膨らんだ草付き越えが急なため)。また氷雪が融けだして水が滲み出しており、ダブルアックスでもなかなか信頼できるアンカーとならず、この登りは見た目より難しかった。
6〜7ピッチ目(50m+10m)
 6ピッチ目は広い雪稜〜岩雪のミックス斜面を登って小岩峰上部の立ち木まで(50m)。
岩角にピックをかけて登ることが多かったが岩が緩んでいてここも騙し騙しの登攀。潅木で支点は取れるもののややランナウト気味のところがあり,リードの妻がスリップしたときは冷やりとした(大げさな悲鳴が聞こえたがなんでもなかったらしい)。
  フォローの私が着いたときは16時半、街の方は晴れていてまだ明るいが山は厚い雲に覆われ薄暗い。現在位置を確認するためさらにつるべで10m登ってピーク上に出る。ガスが覆いつつあったが岳人の写真等で見覚えのある風景が望めた(三叉峰等横岳の岩峰群・すぐ下のナイフリッジから続く雪稜〜上部岩壁・中山尾根の上部岩壁等)。
風はあるが寒くなくピーク上の岩陰でタイムアウト,今後の作戦を練る。
  検討したプラン
@ヘッデン覚悟で前進し地蔵尾根を下りてベースまで戻る
A前進し雪稜上で雪洞を掘ってビバーク(明日の天候に応じ登攀するか決める)
B往路を懸垂下降し途中でビバーク(明日の天候に応じ登攀を継続するか決める)
Cヘッデン覚悟で懸垂下降し赤岳鉱泉まで下る
  @は一般ルートの感覚なら横岳の稜線は指呼の距離,ただ、間に200mの雪稜と2ピッチの岩登りがあり(初めての箇所)、頑張っても稜線まで2時間はかかるだろう。さらに赤岳鉱泉(or行者小屋)までは最低2時間は要すると思われためこれは非現実的。
Aは雪洞山行の経験がなく、これから前進して雪洞適地を探すのも、ピッケルだけで掘るのも時間的に厳しい。
BCは50mロープ一本のため潅木等の多い緩い斜面での懸垂は回収トラブルが心配。ただ、トラブル時もダブルアックスで登り返せないほど困難でないし、途中でビバークするにしても高度を下げる方が得策なのでとりあえず下降することにした。
 
(左)草付きの登りは小ピークまで続く         (右)小ピークの先の雪稜、着いたときは展望があったがみるみる視界が悪くなった
    
5.残雪期ビバーク体験
 小ピークを潅木のある凹角までクライムダウン。回収時にロープが引っかからないようにラインを選びながら懸垂下降する。
25m*2ピッチ下りた辺りに太い木が2本1.5mほどの間隔で立っていた。
ビレーして下降ラインを探ってみるが、暗くなり始めており、登ってきた踏跡も判然としなくなった。ヘッデンの灯りでこのあと10ピッチ近くの懸垂下降をするのは大変そう。明日の登攀にもまだ未練があったので(予報からは可能性は低い)、やはりここでビバークすることにした。
 急斜面ではあるが立ち木で確実なセルフビレーが取れるのはありがたい。ロープを渡してツエルトで小屋掛けし、雪面を掘って奥行き30cmほどのテラスを作れたため予想外に快適な居住空間を確保することができた。
ただ不用意に手を離すと転がって回収が困難になるのでギア・ザック・携行品等はロープ張って作ったギアラックにかけ、スタッフバックやザックの内容物を出すときは細心の注意を払った。
アイゼン・スパッツ・靴は万が一落としてしまった場合のことを考えると脱ぐわけにもいかず、これはじっと我慢。
 携行したウェア類は全て着用、シュラフカバーを被りアルミ蒸着シートを下半身に巻いて少しでも眠るように努めたが、夜半から風が吹き上げてきて足元が寒くほとんど寝付けなかった。不眠で座ったまま身動きできないのは想像以上に苦痛だ。
 朝方ストーブをコッフェルの中にセットし暖を取った。暖かくなるのはありがたいが火事が心配で眠るわけにも行かず今度は睡魔との戦い。
いずれにせよこの週末の異例の気温の高さは登攀にはマイナスに作用したがビバークでは大いに助かった。
 4/11(日) 曇り時々雨午後一時晴れ
6.ビバーク地〜下部岩壁
  明るくなってから荷物の整理とツエルトの撤収を開始。
天気予報では赤岳周辺は「曇りで午後から雨」とのこと。本当に昼まで持つなら登攀の再開も検討したが、実際には今にも降りそうな空模様で予報より早く崩れそうだった。妻は確認するまでもなく早く下りたがっているし、私もほとんど眠れなかったせいかいまひとつ登高意欲がわかない。ただ、往路下山となると私たちの場合懸垂下降の連続となるので、50mロープ1本では石尊峰まで登って地蔵尾根を下る場合と比較して早いかどうかは疑問だった。
 流石に明るいと昨日の踏跡をトレースするのは容易、25m毎にロープを架け替えるのはわずらわしかったが下部岩壁の終了点(小岩峰)までは比較的順調に進んだ。この先を懸垂下降するには登ってきた右ルート(弓形のライン)を辿るより直線的な左ルートを下りた方が良いと思われた。ただ、左ルートは未経験だし既に降り始めていた雨とガスで下降方向に確信がもてない(次の支点として有効な潅木・ペツルのボルト等が確認できないのに闇雲に下降できない)。
少し見通しがよくなるまで待っていると下からコールが聞こえてきてほっとする。登ってくる方向が分かれば下降ラインの特定ができると思ったからだ。
  ところが、しばらく待ってみるも一向に登って来る様子はない。声がする方を見ると眼下にぼんやりと人の動いている姿が見えるようになっていた。
どうもこちらを待っているように思えたので「ロープダウン」とコールして1ピッチ下りてみることにした。15m程下降し中間部垂壁を通過したところでピッチを切る(手ごろな潅木があった)。続いて妻が下りてきたが、ロープが接触して人頭大の岩を落としてしまった。「ラーク」
 大人数のパーティーなのか伝言ゲームのように次々にコールが繰り返された。幸い取り付きからそれたようで何事もなくホッとする。
結局このパーティーはルート状況を告げると、登攀を諦めて下部岩壁の下の雪渓を懸垂下降して行った。 
 先の潅木から10mほど下りた所で昨日も使った中間部の支点を見つける。ロープを架け替え、25mいっぱいで下部岩壁の取付まで下りることができた。
7.下部岩壁〜赤岳鉱泉〜美濃戸
 下部岩壁取付〜雪渓出合は往路の岩稜を懸垂下降(3ピッチ)。下り始めたときはまだ雨が降っていたが出合に着いたときにはすっかり上がり北沢右俣を下っているときは晴れていた。今度は先ほどのパーティーの踏跡が続いていておりこれをトレース。降雨で雪が重くなり踏み抜くと一苦労だった。
  赤岳鉱泉に戻るとテント周辺の雪はさらに融け土が覗くほど、晴れてきたおかげで大分乾いているのはありがたい。小屋でカレーとコーヒーを注文。ようやくまともな食事にありつけて少し元気が出る。 
 テントを撤収して荷物をまとめる,幕営装備が加わると結構な重荷となったが、美濃戸までなら2時間もかからないので気は楽だ。
 いつのまにかどんよりした天気に逆戻り、さらに雪が少なくなった柳川北沢は堰堤広場までは問題なかったが、後半の林道は氷の滑り台のようで歩き難かった(大抵は登山道脇に回避する踏跡あり)。何とか雨につかまらず駐車場に到着。
 道の駅「こぶちざわ」の温泉(スパティオ)で汗を流し休憩室で仮眠後帰路に着いた。
(雑感)

今回の敗退原因として思いつくものは
@赤岳鉱泉の出発の遅れ(予定より約30分)
Aアプローチ(赤岳鉱泉〜下部岩壁取付)に時間がかかり過ぎた
 休憩準備等を含め約3時間は通常より2時間遅く大きな誤算
Bルートミス(下部岩壁中間部)
 予定の左ルートでなく右ルートを登ったため30分程度のタイムロスの可能性
C登攀面での技術経験不足(特にロープワーク)
Dルートコンディションが悪かった(山行時期が遅い)

 DABは新雪期又は3月等に時期を変える、今回の経験・情報を生かす・雪渓から直接取付にアプローチする等により、また@は初日アタックなら小屋泊まりにする・ロスタイムの短縮等を図るにより
いずれも解決可能と思われるから、好条件下なら今の実力で再トライしても成功できるかもしれない。
ただ、かなり条件がよくてもほとんど時間に余裕がないことから(ハイシーズンなら順番待ち等が生じる)、このルートに再挑戦するには、ロープワークの改善(C)・緊急時の対応能力の向上(雪洞経験等(使うかどうかは別にして精神面の余裕))等技術・経験の底上げがやはり必要だと思う。

2010年11月(新雪期)の石尊稜へ
【行程】前夜発1泊2日(山中ビバーク)
4/9自宅(横浜)22:50=第三京浜・環八経由=調布IC23:30=(首都高・中央道)=小淵沢IC 4/10 1:15=道の駅こぶちざわ1:20/5:30(仮眠)=美濃戸口5:50=美濃戸6:10/30---赤岳鉱泉8:28/9:55(テント設営・準備)---石尊稜登攀(山行データ参照)---赤岳鉱泉4/11 12:58?/15:45(食事テント撤収等)---美濃戸17:20/40?=美濃戸口18:00=道の駅こぶちざわ18:15/21:30(入浴・食事・仮眠)===自宅23:55?
【山行データ】
4/10晴れのち曇り
美濃戸駐車場6:30-(柳川北沢)-堰堤広場7:20/30-赤岳鉱泉8:28/9:55(テント設営・準備)-石尊稜入口(注1)10:11/16-(柳川北沢右俣)-小同心ルンゼ出合10:35-石尊稜末端(注2)10:57--雪渓出合(注3)11:03-石尊稜取付点11:30/50-(ここからロープ使用以下同2P(45m+25m)注4)-下部岩壁取付13:05/10-(右ルート2P(45m+45m))-短い雪のナイフリッジ15:05/15-(草付きの急登50m+コンテ10m+50m)-雪稜手前の小岩峰16:45/17:10(作戦会議)-懸垂下降25m*2)-ビバーク地17:50
4/11曇り時々雨一時晴れ
ビバーク地6:50-(懸垂25m*2+コンテ40m)-下部岩壁上の小岩峰(雪のナイフリッジ直下)8:10/30-(左ルート懸垂(15m+10m))-下部岩壁上部垂壁直下9:30/45-(懸垂25m)-下部岩壁取付10:15/40-(懸垂25m*2)-石尊稜取付上11:35/45-(懸垂25m+シリセード)-雪渓出合12:10-石尊稜入口12:35/42-赤岳鉱泉12:58?/15:45(食事テント撤収等)---美濃戸駐車場17:20
注1:柳川北沢右俣に架かる小さな赤い鉄橋
注2:左に三叉峰ルンゼが分岐する出合
注3:石尊稜末端から本谷(右)を100mほど登ったところにある雪渓の出合。この雪渓,最上部は45度を超えるような急なもので登ると下部岩壁へ直接取付ことができる。
注4:注3の雪渓途中から岩稜に上がった。下部岩壁取付まではガイドブックではT〜U級の岩場とあり,また然程急でもないが、雪が消えた脆い岩場でホールド・スタンスが不安定。我々の技術ではロープを出さないと通過できなかった(ボロボロの岩場のトラバース等)。支点を取れる箇所が少なくペツルのボルトのある下部岩壁よりむしろ緊張したくらい。
雪渓が安定している時期なら注3の雪渓をダブルアックで登ったほうがよいかもしれない(?)。11日引き返したパーティーはここを懸垂下降していた(50mダブルで2ピッチ)。
【参考文献】 
1. 日本のクラシックルート(山と渓谷社・1997年)
2. アルパインクライミング(遠藤晴行編・山と渓谷社・2001年) 
3. 日本登山大系8八ヶ岳・奥秩父・中央アルプス(編集柏瀬祐之・岩崎元郎・小泉弘・白水社) 
 
横岳西壁石尊稜の記録
 2010年4月  2010年11月  2014年3月
 
 雪山ハイク ちょっとバリエーション 
 山の手帳 
inserted by FC2 system