2P目:リッジ~カンテ~スラブ(30m・Ⅴ) |
取付(CSの上)10:02L--->終了点10:40F |
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2P目は、内面登攀主体のドーム中央稜の中で唯一、リッジ~カンテ~スラブと露出感のある外面登攀のピッチ。 |
まず、ホールド豊富なリッジを登り、左手にあるテラスより、右上し、続くカンテを登る。カンテ上部ではその左壁のレッジに出て、短いスラブを登り、傾斜の落ちた緩い岩稜上の小テラスでピッチを切る。 |
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出だしのホールドの多いリッジ |
リッジを登ると左手に現れるテラス |
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カンテは、急で中間部からホールドも悪くなった。リードのmonchanはその左壁上部のレッジまで、概ねカンテ沿いを登っていたのだが、2本のロープはカンテの左右に振り分けられており、中間支点は右の垂壁に取ってあったので、フォローの私はてっきりそちらを登ったものと勘違い。右壁は、クラックがホールドにはなるが、左壁に移る手前にあるガバまでの3m程が厳しく、ガバを取るときの一歩はピトンを踏まないと登れなかった(A0)。まあ、フォーローはそもそも完登なんて概念がないので、エイドになろうがどうでもよいのだけど(落ちずに早く登ることが最優先)、ちょっと悔しかった。
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2P目上部のカンテ |
レッジから短いスラブを登る。
上はガレたリッジの一角。 |
カンテ沿いをガバ(|の岩)まで登り、左のレッジ(ガバの上)に移る |
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レッジの上は3m程の緩いスラブ、参照した記録ではここを核心とするものが多く、monchanもそう感じたそうだが、しっかり利く右手カチがあり、フォローの気楽さか、こちらは然程難しいとは思わなかった。 |
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3P目:ガレたリッジ歩き(30m・Ⅰ) |
2P目終了点10:43L--->3P目終了点(大テラス)10:53F |
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3P目は緩い岩稜歩き(ロープは畳むのが面倒なので引いていっただけ)。北穂北峰からは中段の水平に見えるこのガレ場のリッジは、前半の2P(1・2P目)と後半の2P(4・5P目)を二分しており、終了点は、岩だらけの広いテラス。 |
前半部分と後半部分のロープスケールは共に70m、難易度もほぼ同等だから(Ⅳ~Ⅴ)、今まで通りならあと1時間半位かかりそうだ。 |
この時点で11時近くになっていたから、楽しみしている北穂小屋のランチ(11時~13時)に間に合わすのは、小屋までの30分とドームの頭での荷物整理の時間を考慮すると、ちょっと厳しくなっていた。 |
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3P目は緩いリッジ歩き。手を使うのは大岩の脇を通るときだけだった。 |
岩のゴロゴロしたテラスの左端に一段高い小テラスがあった。 |
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4P目:凹角~逆層フェース(30m・体感5.8(逆層スラブ核心の一手)) |
取付11:12L(登攀前に別ラインの偵察15分)--->終了点(CS下のテラス)11:45F |
文献3にの記述によれば、右ライン:凹角~チムニー(35m・Ⅳ+)/左ライン:チムニー~クラック(35m・Ⅳ+)。なお、最近利用者の多い文献4のトポは右ラインのもので40m・Ⅳとなっていた。 |
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4P目は、下の画像中央から登るノーマルラインのほか、一段高い西壁寄りにもフェースや凹角を登るラインがあり、ルートファインディングに悩んだ。
最初に見に行った西壁寄りのラインは、難しそうで、参考にした文献3や4のものとは様子が違い、すぐに除外。そこから右側へ移動すると一見『凹角~チムニー』風のラインがあり、monchanはそのラインを登って行った。ところが、途中までピンがあったものの、「チムニーはノーピンだし、バックアンドフットには幅が広すぎて無理」とのことでクライムダウンしてきた。
こういう場合、いつもならリードを交替するところだが、kniferidgeは右足親指の爪先が痛くて靴を脱いでいた(帰宅後爪がはがれた)。仕方なくmonchanはさらに右側へ移動、画像中央付近の取付を見つける。ビレーポイントからは様子が分からなかったが、今度は順調にロープが出ていった。 |
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画像にカーソルを合わせると、今回登ったライン等が表示されます
破線部分は岩の裏側を通り、①②共にチムニー。因みに本来の右ラインは、OAC。私たちは4P目がOABT、5P目でTCGを登った。 |
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【参考文献】 |
文献1 |
日本登山大系7槍ヶ岳・穂高岳 |
柏瀬祐之・岩崎元郎・小泉弘編 |
白水社 |
文献2 |
日本のクラシックルート |
山と渓谷社編 |
文献3 |
アルパインクライミング |
遠藤晴行編 |
山と渓谷社 |
文献4 |
チャレンジ・アルパインクライミング北アルプス編 |
廣川健太郎著 |
東京新聞出版局 |
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