ちょいバリ2013年 
その1 その2 その3 その4 その5  その6
城山南壁
南西カンテ
城山南壁
南西カンテ
二子山
西岳T峰
中央稜
子持山
獅子岩
南東壁
西丹沢
大滝沢
マスキ嵐沢
 北岳
バットレス
第4尾根
 その7          
 穂高滝谷
ドーム
中央稜
         
山の手帳 > ちょっとバリエーション > ちょいバリ2013年
 このページは「ちょっとバリエーション」に分類されるもののうち、無雪期の山行に関する記録を年次単位に整理するつもりで新設しました。
城山南壁・南西カンテ(伊豆大仁・2013年1月中旬・日帰り)
 0.はじめに
  先日は南岸低気圧の通過で関東でも大雪となりました。その数日後に八ヶ岳の初級バリエーションを計画していましたが、私たちの実力では、日帰り日程でアタックできるはずもなく(50p以上積雪が増えたとのことで、降雪直後だとアプローチに時間がかかると予想)、代替案として、城山南壁の初心者向けマルチピッチフリークライミングルートに行くことにしました。

 城山南壁は、12年前に1度だけ(外岩2,3回目のとき)連れて行ってもらったことがあります。高さ100m位の岩場で、初めて見たときはそのスケールの大きさに圧倒され、トップロープなのにさっぱり登れず、苦手意識がありました。フリークライミング全盛期になる前から本チャンのゲレンデとして親しまれており、人工のマルチルートが多数拓かれていたようです。現在は、ほとんどがフリー化され、10台を中心としたフリークライミングマルチピッチルートとして生まれ変わっている様子。
 南壁には「バトルランナー★★(4P/5.10a)」「エキスカーション★★★(6P/5.10c)」という2大看板ルートがあるようですが、これらは、万年初心者の私たちの守備範囲外。初心者同士で安心して登れそうなところとなると「
南西カンテ(120m/4〜7P(アプローチ除く)/5.7(ハング下トラバースの場合)or5.9(5P目ハング直登の場合)」以外にはなく、今回は、まず、このルートに挑戦してみることにしました。
 
 「南西カンテ」は、『日本マルチピッチ』では『クライミングそのものの入門ルート』と紹介されていますが、カンテ本体よりその上に核心があり、私たちにはなかなか厳しく感じました(最近トライしたマルチルートの中では一番難しかった)。
 1.アクセス及びアプローチ
(1)城山南壁までのアクセス(車)
  城山南壁のアプローチは城山ハイキングコースから。
 城山登山口へは、まず、
東名沼津ICより、下田方面へ向かい、国道1号(沼津バイパス)経由で国道136号(下田街道)に入ります。次いで136号を南下し、韮山、伊豆長岡を過ぎたら、三福ICの交差点(宇佐美大仁道路と交差するところ、沼津ICより30〜40分)に注意し、その次の信号交差点(先(南東角)にネッツトヨタがあるところ)で右折。
 神島橋で狩野川を渡り、すぐ先のY字路を左へ道なりに進むと(右へ行くとワイルドボアやクッキングワールド方面)、狩野川左岸沿いの狭い道路となります。これを暫く走ると右手に城山登山口(表示あり)が見えるので、登山口の反対側の路肩スペース(3〜4台)に駐車します。週末等満車のときは、
狩野川対岸の河川敷に駐車できるようです(トイレ有、一応キャンプも可能らしい)。
 城山南壁は、登山口よりハイキングコースを20分ほど登り、そこにある『←ハイキングルート ロッククライミングルート→』の道標から、表示に従って右手の踏跡を少し登ったところ(目前に南壁が現れるのですぐわかります)。
(2)アプローチ(斜上バンドへの登攀)〜最初の核心
 「南西カンテ」は南壁の西端のリッジルートで、その取付は南壁の斜上バンド(南壁取付の中央付近より左上するバンド)の上にあります。そのため、「南西カンテ」の取付へ行くには、まず、南壁取付よりいずれかのルートを登って斜上バンドに上がることが必要。
 確か12年前は「アナザーステップ(5.9★)」、「とんとん拍子(5.8)」といった斜上バンドへ続く初心者ルートをトップロープで登ったと記憶していました。特に後者は、超人気マルチ「バトルランナー★★4P/5.10a(2P目)」の1P目で興味があったものの、これらは南壁の中央付近に位置し、「南西カンテ」に行くには終了点からのトラバースが長くなるので躊躇されます。
 「もっと西寄りで簡単なルート」とトポを見ると、ウォームアップには手ごろそうな「ホームボーイ(5.8)★★」が目に留まります。5.8にしてはつるっとしているけど、城山特有のポケットもあり、それを追っていけば初見でも問題なさそう。ところが、実際登ってみると、朝一あるいは、やや湿っぽいコンディションのせいか(単に下手なだけ)、見た目より手強く、「クッキングワールド(城山でも初心者向け岩場)」の「イタリアンジェラード(5.8)」と同グレードには思えません(取りあえずOS)。当初はこのまま、妻にバックロープを引いて登ってもらい「南西カンテ」へ行くつもりでしたが、不安になり、トップロープのセットをし、もう少しウォームアップを続けることにしました。続いてトップロープで同ルートを登った妻には、その終了点よりさらに5m程上の「エキスカーション★★★6P/5.10c(3P目)」1P目(5.10a)終了点までロープを伸ばしてもらいます。せっかく人気の「エキスカーション」にロープを掛けたのだから、練習すればよかったものの、「帰りに登ろう(果たせなかった)」ということになり、2本目はそれぞれ妻の1本目と同じラインで斜上バンドへ上がりました。

 斜上バンドに上がると西方は灌木に覆われた踏跡が続いています。「これならロープなんかいらない」と思うのは早計、すぐに灌木はなくなり、スパッと切れ落ちた垂壁の上を歩きます(「ロープを付けていてよかった」と胸をなでおろした)。再び灌木の中に入ると外傾気味のテラスが現れ、そこが「南西カンテ」の取付でした。
「エキスカーション」1P目終了点より「南西カンテ」取付は60m程、はじめはスタカット、ロープいっぱいになってからコンテで歩きました。
 ホームボーイ(5.8)を登って
斜上バンドへ上がる
 斜上バンドの西方は
灌木のある踏跡が続いていた
 灌木はすぐなくなり、
左が切れ落ちた細いバンド歩きとなる。
 
 2.南西カンテ登攀
 カンテはハング下まで65mくらい。
(1)カンテ登攀
  さて、「南西カンテ」ルートは、@南壁西端の顕著なカンテ(リッジ)を登攀し(65m,2〜4P)、続くAリッジ最上部のハングを巻くか(2P)直登するか(1P)して二間バンドへ上がり、さらにB二間バンドの上の凹角(15m)を登って終了という、いわば3部構成となっています。

 まずは、@のカンテの登攀。いつものように奇数ピッチは私、偶数ピッチは妻がリードする「つるべ」、また、練習のため引いてきたバックロープを結びダブルロープで登ることにします。まずは、慎重にオブザベーション。樹林の中からそそり立つリッジは結構立っており、『関東周辺の岩場(菊地敏之編)』には『階段状のリッジ(V〜W)』とありますが、「やけに急な階段だな〜」と最初からぼやき。確かにホールドは大きいのだけど逆層の岩で意外に登り難く、単純な重心移動の繰り返しですが、
高度感があるので目が慣れるまで然程容易には感じませんでした。支点はRCCボルト中心で3〜4m毎にあるので安心。概ね15m毎に終了点があり、その都度ピッチを切るとハングの下まで4P(65m)となります。特に2P目/4P(カンテを4Pで登った場合の2P目)は安定したテラスがあり、しっかりした終了点が作ってありました。ここでピッチを切ろうと声をかけてみると「ロープはまだまだ残ってるよ」とプッシュされます。


 テラスより上は、これまでのすっきりしたカンテから、灌木も出てきて、本チャンぽい岩場に変わります。中間支点も少なくなり、立木で取る個所もあるので長めのスリングとフリーのビナは必携。灌木のリッジをさらに15mくらい登ったところでピッチを切ります(1P〜3P/4Pは45m)。終了点は立木に作ってあり、セルビレーを取って身を乗り出すと眼下に登ってきたラインが見渡せました。なお、終了点のある各テラスは浮石が多く落石の虞があるのでこのルートは絶対にヘルメットが必要です。
 ところで、『日本100岩場/伊豆・甲信改訂版』を見ると、このカンテの部分はグレードが5.7/5.8/5.5/5.5と表示されており、すっきりしたリッジ部分は5.7〜5.8ということになります。確かに、1〜2手はWとは思えない部分があったものの(菊地さんのグレードは辛めに感じることが多い)、外岩でこれが5.8というのは甘過ぎ、個人的にはその部分がW+〜5.6(X-)くらい、全般的にはやはりWくらいの印象でした。

 登ってきた妻とリードを交替。4P目/4Pは、立木があることもあり、今一つ判然としなくなったリッジの左側の緩い崖状を登ります。20m程で頭上にハングが現れ、リッジの背の部分に終了点が作ってありました。このピッチは体感U〜Vでフラットソールだとクライミングと言えないレベル。次のトラバースは短いはずなので二間バンドまで続けてリードしてもらいたかったのですが(セレクションのトラバースで事故を起こしたことをもう忘れてる)、妻はなぜか躊躇していました。
ハング下の終了点へ行ってみると、先日の大雪のせいかハングから染み出しがあり、周辺の岩場は濡れていました。
 灌木のある崖状を登ると(4P目/4P)
頭上にハングが現れる
 ピンのある右端は易しそうに
見えたのだけど・・・
(2)ハング越え
 次は、Aの頭上のハングの通過です。ハングの通過には、直登(20m/5.9)と、リッジを右側に乗越し、二間バンドまで「黎明ルート(4P/5.10a)」終了点の上(スラブ)をトラバースするライン(X)があります。

後者が一般的なので当初はトラバースするつもりでしたが、ルートコンディションを見てハング直登に変更しました。それは、濡れた凝灰岩のスラブはいかにも滑りそうだし(トラバース)、他方、ハングは左側はルーフ状で困難ですが、ピンのある右端のラインは被った岩を一段上がれば何とか越えられそうな小ハングがあるだけ。また、「ハングで5.9ならホールドはガバに違いない」と思われるし、急傾斜の方が乾いている可能性も高いと判断したからでした。
 被った岩を一段登って古いリングボルトで1本目の中間支点を取り、外傾したレッジでオブザベーション。核心の小ハング越えは、所々ポケットがあるのは有難いけれど、外傾気味のスタンスは濡れているし(及び腰になり傾斜が余計にきつく感じた)、ガバはあっても苔が生えていて怖くてなかなか振りの型に移行できません。正対でも登れそうになく、仕方がないので「何でもあり」モードに切替え、ハングの上にクリップしたヌンチャクを引いてA0で突破しました。なお、ここは本当に緊張していたようで、左右のロープをクロスさせてクリップしてしまい、登れない程ではなかったものの、流れが悪くなって苦労しました。
 ホッとしたのもつかの間、その上に短いけれど急なスラブが現れます。岩は相変わらず濡れているし、核心で使う右のホールドに今度はヌルヌルした泥が付いており、いくらチョークアップしても滑りそうで立ち込めません。一段下のテラスまで下りてレスト、よく見回すと登ろうとしたラインの少し左にA0用に打ち足されたと思しきピトンを発見、結局ここもヌンチャクを引いて登ることになりました。
フォローの妻も、コンディションの悪い外岩はジムの前傾壁とは勝手が違うようで、苦労しているようでした。
終了点から踏跡を僅かに登ると二間バンド。
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