水無川支流源次郎沢(丹沢)
その1

2010年12月26日(日帰り)
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 ちょっとバリエーション
山の手帳
【はじめに】

 月初に倒れた老猫の世話でしばらく山にいけなかったのですが、それも終わり12/26に水無川支流源次郎沢(1級・V)へ行ってきました。
 ここはGWにもトライしていますが、入渓点を誤って水無川本谷を遡行(F5まで)、書策新道を下って源次郎沢へ入ったものの、参考にした遡行図は滝番号が現在のものと違っていて混乱したこともありタイムアウト。結局、源次郎沢F5(「沢登りルート120」等ではF4)のすぐ先の二俣から左俣を遡行したため、いまひとつ満足できない山行でした。
 今回はそのリベンジで右俣遡行が目的です。

【メンバー】夫婦2人

【山行記録】

0.入渓点まで
 何とか年内に再挑戦ということで計画したものの、丹沢南面といってもクリスマス過ぎは通常の沢登りにはちょっと遅すぎ(ネット検索でも12月上旬くらいまでの記録しかない)。林道も戸沢山荘(標高560m)近くになると所々凍結箇所が見られ不安になる。空いているかと思っていた駐車場も半分以上の入り、そろそろ暮れというのに丹沢にこんなに登山者がいるのかと訝しげにしていると、多くは餅つきをするために集まった人のようだった。

 遅めの朝食と沢支度を終え、防寒具がわりにゴアの雨具を羽織って出発。戸沢・本谷沢を渡り(前者は水流を後者は橋を渡る)少しだけ天神尾根の一般道を歩く。
戸沢(左)・本谷沢(右)を渡る
(左)源次郎沢を渡る (右)源次郎沢出合を俯瞰
 書策新道の表示がありこれに従い右に折れてすぐ沢(源次郎沢)を渡る。渡った先は源次郎沢出合(下流側に向かって左が本谷、右が源次郎沢)、源次郎沢の一般的な入渓点はこの先の道標(a「源次郎沢入口・本谷F5近道」)から左の書策新道(b「書策小屋2時間」の道標あり)を僅かに登って左岸に下りる(c「源次郎沢入口」の道標あり)。

 なお、bの道標のところは黄色のテープで道が塞がれており戸惑った。また、aの道標から右手に踏跡があり、これを進むと本谷沢へ入ってしまうので注意が必要(前回はルートミスしたところ)。

1.入渓点(8:47)〜二俣(10:21)
 すぐ現れる堰堤は左右どちらも登れるが、容易な左岸側(右)から越える。最初の釜のある4mの滝には「F1」の表示があり、ここは濡れずに済みそうな右(左岸)を登ってみたが、落ち葉が積もってホールド・スタンスが見難いし、登りはじめだったこともあって、見た目より難しく感じた(参考文献には左側が容易とあった)。
 なお、前回も触れたが現地表示と参考文献の遡行図とでは滝Noがずれている箇所があるので、以降、基本的に現地表示の滝Noを採用し、参考文献の遡行図が現地表示と異なる場合には(参F○○)として併記することにする。 

F1

 左岸から8mの滝(僅かに水流あり)を擁する枝沢が入り、そのすぐ先にF2(4m*3段)が現れる。下段及び中段は左岸側を、表示のある上段は右岸側を登りここも濡れずに済んだ。

(左)左岸側枝沢の滝 (中右)F2
 F2を過ぎると右岸側が切り立った岩場になり連続する樋状(クラック状)の滝となる。まず、2段4mの滝(手前にF3の表示あり)は水流から左岸へ、その落ち口で右から枝沢が合流し、次いで現れる3段7mの滝も左岸の岩場を登った。さらに、その上のF4の表示のある4〜5mの小滝は右岸の苔付きスラブの登りでちょっといやな感じだったが乾いていて滑らず見た目より容易だった。
 なお、末尾に掲げた各参考文献には微妙に差異があるものの、これらの連続する滝の一部又は全部をF3(参F3)としているようで、それがF4以降の滝Noにずれが生じた原因と思われる。
 
F3
F4
 F4(参F3)の先は、側壁の滲みだしに氷柱が目立つようになる。小滝の脇を登ったり、水際が凍った川原を歩いたりして程なく右岸から急なガレ沢が入る。
F4〜F5
ここから流れは少し右に折れ、すぐ先に10mの大滝F5(参F4)が現れた。
F5(参F4)    緑破線:巻き道    赤:直登ルート
 F5は(30mロープ使用)、まず、右岸側のリッジをペツルのボルトのところまで登って中間支点を取り、次いでリッジを右に回り込んで水線沿いに落ち口の上まで登るのだが、水際に出ると右岸の岩は所々凍っており戸惑う(ホールドは滑りそうだし途中のピトンの穴も塞がっていた)。幸いバイルを持参しており、まだ気温が高く薄氷だったため(容易に除去可能)大した障害にはならなかった。終了点は落ち口上の右岸の岩場に作ってあり、これを利用して妻を確保する。
 なお、F5の巻道は前述のリッジの左脇の岩溝にあり歩いて登れる。
【参考文献】

1.山と高原地図「丹沢」(昭文社・1992年版及び2010年版)
2.東京起点沢登りルート120(宗像兵一編著・山と渓谷社・2010年)
3.実戦オールラウンドクライミング(廣川健太郎著・東京新聞出版局・2007年)

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