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【山行メモ】
9/30:晴れのち雨(稜線上は霙)
・4時半起床。昨夜は興奮して眠れないのではと案じていましたが、山で知り合った友人と再会し飲んでしまったせいか、かの寝心地の悪い涸沢のテン場でもぐっすり眠れました。朝は良い天気で涸沢カールを朱に染める素晴らしい朝焼けを見ることが出来ました。これで紅葉していれば最高なんですが(今年は紅葉が遅れています)・・・・。準備に手間取っているうちに出発は結局7時になってしまいました。
《東稜の取付》
・東稜へは、一般道が北穂沢から離れて(左に入る矢印あり)、さらに南稜方向へ折れる所から一般道と分かれて右側に斜上する踏み跡に入ります。 |
@ゴルジュ A東稜の(下の)コル Bゴジラの頭
Cゴジラの鼻 D東稜の(上の)コル |
・ゴルジュの上に出て、ほんのわずか残った雪渓の下を左岸側へトラバースします。私たちは途中で踏み跡 |
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を見失い、登りすぎてトラバースしたため浮石だらけで神経を使いました。
・東稜から2本の顕著な枝沢が入り、踏み跡のある下の方の沢に向かいます。この枝沢は途中から二股になっており、向かって右側のルンゼから東稜へ取り付きました(明確な踏み跡がありこちらの方が容易そう)。
・ルンゼを登りきった尾根の段状地は素晴らしい展望台。北穂とは少し違った角度から見る南岳や槍、美しいスカイラインを描く前穂北尾根が印象的でした。・正面の小ピークを右から巻いた鞍部が「東稜の(下の)コル」、ここでゴジラの背〜頭部の巻き道(北穂の池への踏み跡)が分岐します。・コルで登攀具を着けていると単独の人がやってきました。巻き道を行くと言っていましたがクライミングシューズに履き替えている所をみるとどうもゴジラの背に行くようです。
《ゴジラの背〜東稜のコル》
・正面の小ピークを登ります。この辺りは痩せ尾根というより大岩の積み重なったような岩稜歩き、甲斐駒の六方石からの直登ルート(冬道)のような感じでした。一箇所北穂沢側に出て幅40cmほどの岩棚をトラバースする所がありますがごく短いもので特に問題なし。
・もうひとつ小ピークを越え、段になった3番目のピークに立ちます。この先から顕著なナイフリッジとなり、いよいよ核心部、ちょっと緊張します。
写真を撮っていると前述した単独の人が追いついてきたので先に行ってもらいます(後述のピナクルもあっという間に通過してしまいました)。
・うまい人を見ていると簡単そうでロープ不要という気になりますが、超初心者の私たちはやはり確保した方が無難、せっかく持ってきたのでロープワークの練習をすることにしました。 |
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ゴジラの背からゴジラの頭へ至るナイフリッジ。Knがいるところが後頭部 |
・核心部(ゴジラの背〜ゴジラの頭〜ゴジラの鼻)は記憶によると
(1)小ピークから幅50〜60cmのナイフリッジを渡り小ギャップへ下ります(ゴジラの背〜首の通過)。
(2)小ギャップの先には3m程のほぼ垂直なピナクルがあり、ここから「ゴジラの頭部」。ピナクル(後頭部)はその基部(確保支点あり)から一段上がった後、先端を右から巻いてリッジに出ます。
(3)リッジに上がると(「ゴジラの頭」)右側(横尾本谷側)に幅60cm程のトレイルがあります。これを少し歩くと、再びナイフリッジ状となり今度は北穂沢側に出て渡ります。
(4)渡りきった先がまた小ギャップとなっておりこれを慎重に一段下ります(確保支点あり)。
(5)少し幅が広くなったリッジを僅かに登り返すとナイフリッジ先端となり(「ゴジラの鼻」)、この鼻から「東稜の(上の)コル」へ下りると登攀終了。 |
ゴジラの頭〜ゴジラの鼻。Knがいるところがゴジラの鼻 |
・(1)(3)(4)の3ピッチでロープ(30m)を使用しました。(1)(3)はスタカット(隔時登攀)、セルフビレーの支点は岩でランニングビレー(中間支点)は残置ピトンを利用しました。
・ちょっと緊張したのは(1)のピナクルの登り。ピナクル下の北穂沢側は50m位(?)スパっと切れ落ちており、下を見るとすごく高度感があります。ホールド・スタンスは十分にあり、3箇所にピトンが打ってあってランニングビレーもとれます。
・(3)は(1)ほど高度感がないけれど相対的にスタンスがやや細かい箇所がありました。途中に残置ピトンがあります。
・(4)は、一応懸垂下降しましたが(30mロープ1本でぎりぎり届く)、岩が階段状に積み重なったような岩場であまり懸垂下降のメリットを感じませんでした(スタンスが遠い所があるもののクライムダウンしても問題なさそう)。 |
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そう言えばガイドブックにも「懸垂下降の”要領”で」と書いてありましたっけ。
・下降点の岩に残置ピトン・スリングがありましたが、岩に直接かかっている新しい9mmのロープスリングを利用しました。
・なお、クライミングもロープワークも未熟な我々は核心部の通過に1時間を要していますが、先行者はここを20分程で通過しています。
《東稜のコル〜北穂高岳》
・登攀用具を外し記念写真を撮って出発します。「東稜の(上の)コル」から北穂高岳までは始めはガレ場、上部は段差のある結構急な岩場で予想していたより辛い登りでした。
・北穂小屋のテラス直下のバンドをトラバースし大キレットからの縦走路と合流すると小屋はすぐでした。
・テラスでコーヒーを飲んでいると何時の間にか空が暗くなり白いものが落ちてきます。そう言えば東稜にも新雪が残っている所があったような・・・・・・・・・・・。
・帰りは東稜の巻き道経由で北穂の池に行くつもりでしたが天気が回復しそうにないので中止、お陰で北穂小屋でゆっくりと昼食を摂る事が出来ました。クラシックを聴きながら牛丼を食べるというのもなかなかおつなものです。
・小降りになった頃を見計らって南稜を下ります。久々の南稜の下りでしたが、登りと違って歩きやすく1時間少々で下りてしまいました。早く下ったお陰で我々はあまり濡れずに済みましたが、南稜経由で涸沢岳を回ってきた友人はずぶ濡れでした。 |
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